【40代USCPA目指せ税理士】法人税法勉強メモ13(外国税額の控除)

税理士
1.概要
内国法人は、日本国内で生じた所得と同様に国外で生じた所得についても法人税が課税されることになる。つまり、内国法人が国外に支店を設置して事業活動を行なっている場合、その支店等に所得が生ずると、その所得に対して、日本で課税される法人税現地で課税される外国税の両方が課税されることになり、国際間の二重課税が生じることとなる。この国際間の二重課税を排除する目的で設けられている制度が外国税額控除という制度である。
国際間の二重課税の調整方法
当社が国外に支店、事務所、工場等を設置して事業活動を行い利益が発生すると、その利益に対して我が国において法人税及び国外において外国法人税が課されることになる。このままにすると、そこに国際間における二重課税が発生することになる。
2.外国税額の控除と損金不算入
内国法人が外国法人税を納付することとなる場合には、控除対象外国法人税の額は、一定の控除限度額を限度として、その外国法人税の額を当期の法人税額から控除し、控除しきれない額は還付される。
内国法人が、外国税額の控除又は還付の適用を受ける場合には、控除又は還付される金額は損金不算入とされる。
⇨二重控除を防止するため
3.控除対象となる外国税額の計算
控除対象となる外国税の範囲
外国の法令に基づいて外国又はその地方公共団体により法人の所得を課税標準として課される税
⇨国外預金に係る利子、外国株式(保有割合が25%未満のものなど)に係る配当➡︎源泉徴収外国税金
 外国の支店等の所得➡︎外国法人税
控除対象外国法人税の額
外国法人税の額から所得に対する負担が高率な部分の金額等を除いたものをいい、この金額を別表四仮計の下で加算調整する。なお、所得に対する負担が高率な部分とは、外国法人税の課税標準とされる金額の35%を超える部分をいう。
⇨35%とは法人税、住民税及び事業税等の実効税率のことであり、これを超える部分は明らかに二重課税とはならないことから除外する
計算の型
(1)納税した外国法人税額
(2)その外国法人税の外国の法令に基づく課税標準額(現地法令による金額)x 35%
(3)(1)と(2)のいずれか少ない方➡︎控除対象外国法人税額(別表四仮計下・加算社外流出)
控除外国税額の計算
別表四で加算調整をした控除対象外国法人税額は、その全額が法人税額から控除されるわけではない。控除外国税額の計算には、控除限度額が設けられており、その控除限度額を限度として控除することになる。
計算の型
(1)控除対象外国法人税額
   
 控除対象外国法人税額(別表四で加算調整した金額)
(2)控除限度額
 各事業年度の所得に対する法人税額 x 当期の調整国外所得金額 / 当期の所得金額(別表四差引計)
 (別表一の差引法人税額) 
(2)控除外国税額
(1)と(2)のいずれか少ない方➡︎控除外国税額(別表一法人税額計の下・控除)
調整国外所得金額
調整国外所得金額とは国外所得金額に係る非課税所得の金額を控除した金額をいう。ただし、その金額が所得金額(別表四の差引計の金額)の90%を超える場合には、その90%相当額とされる。
計算の型
別表一の差引法人税額 x *当期の調整国外所得金額 / 別表四の差引計の金額
*当期の調整国外所得金額
①国外所得金額 – 非課税所得の金額(日本の法令による金額)
②別表四の差引計の金額 x 90%
③①と②のいずれか少ない方
非課税所得を控除する理由
外国で非課税とされた所得を調整国外所得金額に含めてしまうと、その非課税所得に対応する外国法人税額はないにもかかわらず、非課税所得に対応する金額分だけ控除限度額が多く計算されてしまうため
所得金額の90%を限度とする理由
内国法人の本店は国内にあることから、仮に所得金額の内訳全て国外所得金額からなるような場合であっても、少なくとも10%は国内で生じた所得と考えて課税するため

コメント

タイトルとURLをコピーしました