【40代USCPA目指せ税理士】法人税法勉強メモ14(外国子会社配当等益金不算入等)

税理士
1.概要
内国法人である親会社が外国子会社から配当等を受け取ると、国際間で二重課税が生じる。この国際間での二重課税を調整する仕組みとして外国税額控除制度が設けられているが、外国子会社の所得に対して課された外国税を内国法人の計算に取り込もうとすると実務が煩雑なものとなる。そこで制度の簡素化を図るとともに、適切に国際間の二重課税が排除できるよう、外国子会社から受ける配当等の額のうち一定額については、益金の額に算入しないこととされている。なお、外国子会社からの配当等に係る源泉徴収外国税額については、配当金等を益金不算入とすることにより既に二重課税は調整されているため、外国税額控除は適用せず、損金不算入とされる。
外国税➡︎外国源泉税等の損金不算入額
受取配当金➡︎外国子会社配当等の益金不算入
制度の趣旨と基本的な考え方
法人が海外へ進出する形態には、現地に支店等の事業所を設置して行う場合と、現地に子会社を設立して行う場合などがある。ここで、支店形態の場合には、その支店の所得に課された外国法人税は、外国控除制度により国際間の二重課税を排除する仕組みがある。一方、子会社形態の場合には、子会社からの配当は親会社である内国法人の所得を構成することになるが、その配当の財源は、子会社ににて外国法人税を負担した後の「課税済所得」ということになる。このままでは、支店形態の場合に比して子会社形態の税負担が重くなる結果となる。
そこで、制度の簡素化を図るとともに、海外への進出形態の違いによる税負担のアンバランスが生じないようようにするために、外国子会社から受けた配当等の額については、一定の金額を益金不算入とし国際間の二重課税を排除している。
2.益金不算入額の計算
内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、その剰余金の配当等の額からその剰余金の配当等の額の5%相当額を控除した金額は、各事業年度の益金の額に算入しないこととされている。
計算の型
(1)配当等の額
(2)費用の額
(1)x 5%
(3)益金不算入額
 (1)- (2)➡︎外国子会社配当等の益金不算入額(減算※社外流出)
⇨外国子会社が複数ある場合には、その外国子会社ごとの計算となる。配当等の額は、源泉徴収税額控除前の金額となる。
外国子会社の意義
保有割合…発行済株式等の25%以上を保有していること
保有期間…剰余金の配当等の額の支払義務確定日以前6月以上の要件を満たす外国法人となる
外国子会社配当等に係る外国源泉税等の取扱い
内国法人が外国子会社配当等の益金不算入の適用を受ける場合には、その剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の額は、各事業年度の損金の額に算入しないこととされている。
計算の型
外国子会社配当等に係る外国源泉税等の額を集計
➡︎外国源泉税等の損金不算入額(加算社外流出)
外国税額控除との関係
・外国子会社からの配当等
配当金の取扱い➡︎益金不算入
外国税額控除の適用➡︎適用不可
外国源泉税の取扱い➡︎損金不算入
・上記以外
配当金の取扱い➡︎益金算入
外国税額控除の適用➡︎適用可
外国源泉税の取扱い➡︎損金不算入

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