【USCPA】米国公認会計士試験 科目別勉強法 REG2後半

米国公認会計士(USCPA)

さていよいよREG2の最後になります。早速行きましょう!

目次

REG2の勉強法(各論)

★★★★★ 最重要

★★★★ 重要

★★★ まずまず重要

★★ 普通

★ 余裕があれば学習

パートナーシップ1 Partnership1 ★★★★★

重要論点

  • パートナーシップの特徴

こちらはREG1と重複しますが特徴は押さえましょう。特に初めての方は「パートナーシップは租税主体ではない」という文の意味深掘りましょう。パートナーシップの段階では課税されずにパートナーにpass throughされるという事です。

  • パートナーシップの設立

基本…パートナーは損益は認識しない。パートナーシップ持分の当初のbasisは何を提供したかによって変わる。cash→cashの金額、property→その時点のpropertyのbasis、service→持分のFMV。

例外…パートナーが例外的に損益を認識する場合。serviceを提供した場合。パートナーシップがパートナーの負債を引き受けた場合で、この実質的に現象した債務の金額が拠出したpropertyのbasisを超える場合。この一文は難解ですが超重要なので数字を使ってみていきましょう。

パートナー設立時に、パートナーはbasis50のpropertyを拠出しパートナーシップ持分の50%を取得したとします。そしてそのpropertyに200の譲渡抵当(負債)が付いていたとします。この時に利得を認識しなければなりません。

propertyの拠出にあたりパートナーはそれに付いている負債からは解放されることになりますが、パートナーはパートナーに対して有限責任を負い続けることになります。従って、持分の50%つまり100の譲渡抵当はパートナーが負い続けることとなり、残りの100のみが実質的に解放された額になります。この解放された負債の100とpropertyのbasisの50を比べると負債の額が50超過していますのでこれを利得として認識することとなります。

更にパートナーが保有する当初のパートナーシップの持分は下記の要因により変化します。

加算調整

追加の資本拠出

パートナーシップの所得

パートナーシップの負債をパートナーが引き受ける場合

パートナーシップが増加する場合

減産調整

パートナーシップからの分配

パートナーシップの損失

パートナーの負債をパートナーシップが引き受けた場合

パートナーシップの負債が減少する場合

  • パススルー

まずは特別な取り扱いをする項目を覚えましょう。それ以外の項目で通常所得を計算することとなります。パートナーの役務の対価として受け取る保証支払額(guaranteed payment)は通常所得の算出段階で事業経費として控除できることを押さえておきましょう。

  • 損失の制限

また出てきました。パートナーシップからパススルーされた損失のうち、パートナーが控除できるのはパートナーシップの持分のbasisまでです。例えば、持分が50である場合、パートナシップから100の損失がパススルーされてきたとしても、パートナーが控除できるのは50までです。

  • 財務会計上の利益と通常所得の差異

特別な取り扱いをする項目の分だけ差異が出ます。

  • パートナーシップの申告書

Form1065/K/K1

パートナーシップ2 Partnership2★★★★★

重要論点

  • 関連納税者間取引

関係者間の資産処分から生じた損失は認められない。関連納税者間取引は資本資産、法人のところでも出てきますので合わせて確認しましょう。

  • パートナーシップからの分配

この論点は清算時と通常配当でそれぞれ7パターンを覚える必要がありますが、ポイントは極力損益は認識しない方法が取られていることです。例外として清算時にcashで分配を受けた場合と通常の配当でパートナーシップ持分のbasisを超過した場合には損益を認識することになります。

  • パートナーシップ持分の売却

パートナーによるパートナーシップ持分の処分により、原則として資本損益が発生することとなる。ただし注意点は以下二点。

◇パートナーがパートナーシップ持分の売却にあたり、負債から解放されたのであればその金額は実現総額に含む

◇利得のうち未実現債権と含み益を有する棚卸資産の場合には通常所得として取扱いを行う。

例)basisが50ドルのパートナーシップ持分を50ドルで売却した。これに伴い、パートナーシップの負債のうちパートナーが実質的に負っていた30ドルから解放された。なお、パートナーシップには未実現債権及び含み益を有する棚卸資産が存在し、当該パートナーの持分に対応する金額は10ドルであった。

amount realized 50 + 50(負債の解放額)= 100

basis 50

gain realized 50(10⇨ordinary income 40⇨capital income)

株式会社1 Corporation1 ★★★★★

重要論点

  • 株式会社の特徴

いよいよ本丸です。パートナーシップと並んで最重要なのが株式会社です。違いについて押さえながら何度もテキスト&問題を繰り返しましょう。株式会社の主な特徴は二重課税と有限責任です。また、個人との比較、財務会計との差異も大変重要です。

  • 株式会社の設立と損益認識

株式会社の設立にあたり会社に財貨(cash +property)を出資したものが(複数人であっても良い)、会社を支配(株式の80%以上を所有)する場合には損益を認識しない。⇨逆に言うと80%未満の場合には損益を認識する。

  • 損益を認識する場合

◇役務を提供する場合

◇交換差金(boot)を受領する場合

◇株式会社による債務の引受額が、出資したpropertyのbasisを超過する場合

例)AはB社の株式100%と交換にbasis80の土地を出資した。土地には100のmortgage(譲渡抵当=債務)が付いていた。

⇨この場合、株式会社が引き受ける債務100がbasis80を超過するため20のgainを認識する。債務を引受けてもらう=cashをもらうと考える。

  • basisの算定

◇株主側

株式のbasis = 出資されたpropertyのbasis + 認識利得 – boot received

◇株式会社側

propertyのbasis = 出資者のbasis + 認識利得

  • 法人所得税の計算

個人と取扱いが異なるところが注意です。

◇慈善寄付金

課税所得の10%まで控除可能(個人は60%)

◇受取配当金控除

所有率に応じた控除制限を覚える

◇災害損失

propertyのbasisを上限として全て控除可能(個人はAGIの10%までと100ドルの減額がある)

◇資本純損失の取扱い

個人⇨3,000ドルを上限にabove the lineで控除可、控除できない部分は翌期以降に無期限に繰越すことが可能。

法人⇨資本純損失は相殺不可。3年の繰戻しと5年間の繰越しが可能。

  • 財務会計上の利益との調整

ここは合否を分けるポイントになると思います。私が受けた試験でも数問出題がありました。加算と減算の項目を覚えましょう。単なる暗記ではなく、なぜ加減算するのかを理解しましょう。調整表であるSchedule M1とretained earningsの変動を示すM2は実物を見ておきましょう。

加算

連邦所得税/寄付金のうち10%を超過した部分/純資本損失/飲食費/税法上控除できない保険料など

減算

地方債の受取利息/生命保険金など

株式会社2 Corporation2 ★★★★★

重要論点

  • 関連グループ(affiliated group)

affiliated group= 親会社が子会社の議決権の80%保有+親会社が子会社の株式合計の80%を保有⇨連結納税が可能

  • 法人からの分配

配当(dividends)/資本の払戻(return of capital)/株式の償還(stock redemption) /会社の清算(complete liquidation)の違いを押さえる。

例)ある投資家が単独で100ドルを投資して当初の純資産が100ドルの会社を設立したとする。その後、会社は利益を上げE&Pは70ドルであった。ここで会社が200ドルを分配した。この場合、株主は分配総額を下記の通り処理する。

70ドル→配当所得(E&Pの範囲)

100ドル→不課税(出資額の範囲)

30ドル→資本利得(儲け)

  • 分配における株式会社の損益認識

原則として損益を認識しない。ただし、basisを超過するFMVを有するpropertyを分配した場合にはその差額部分について利得を認識する(損失は認識しない)。

  • 株式の償還

基本的に配当所得として扱う。ただし①償還が配当と本質的に等しくない場合、②償還が不均等である③株主の株式の全部が償還される④償還が非法人株主からの部分償還である場合は資本損益を認識する。

  • 会社の清算

通常、資本損益を認識する。現金以外の資産を受領した株主ははそのFMVを資産のbasisとする。また、会社は分配する資産のFMVとbasisの差額を資本損益として認識する。

親会社が子会社株式の80%を保有している場合は子会社が親会社にpropertyを分配しても損益を認識しない。

  • 人的所有会社
  • 留保利潤課税

それぞれどのようなものか把握しておく。

小規模会社 S Corporation ★★★★★

重要論点

  • S corporationの特徴

PartnershipやC corporationとの違いが大切です。

  • S corporationから各株主へのパススルー

ここはパートナーシップの論点とほぼ同じです。

  • 損失の制限

また出ました。私の受けた試験ではこの論点が本当に多かったです。小規模会社からパス・スルーされてきた損失のうち株主が控除できるのは株式のbasisと小規模会社に対する債権までである。

本試験のMCでは「小規模会社からの損失をより多く控除するためにはどのようにしたら良いか?」という問題が出ました。正解は「小規模会社に貸し付けを行う」ですね。

  • 小規模会社から分配

ここでは上記C corpの論点に加えてもう一段階AAAという概念が登場します。AAAはaccumulated adjustment accountの略で法人が小規模会社を選択した後に稼得され留保されてきた利潤の総額です。これは既に株主にパススルーされている利益であり既に課税されているので不課税です。ちなみにE&PはC Corp時の利益と思っていただければよいです。

例)小規模会社は150ドルの分配を行った。AAAは50ドル、株主のbasisは50ドル、E&Pは50だとする。

この場合次の順に分配を処理します。

①AAA

この50ドルは上述の通り、不課税です。この時、投資を回収しているのでbasisの50も減額する必要があります。

②E&P

通常所得 50ドル

③basis

上記でbasisが0となっていることに注意です。

④capital gain

150(分配総額)- 50(AAA) – 50(E&P) – 0(basis) = 50(capital gain)

信託と遺産 Trusts and Estates ★★

重要論点

  • 信託と遺産の意味や種類

日本では馴染みが薄い論点なのでまずは信託と遺産とはどのようなものか押さえましょう。

  • 信託元本と収益の配分

受益者は、信託に関わる収入と支出を収益と元本に配分します。どの項目が収益でどの項目が元本かを判断できる必要があります。間違えやすいのは以下。

財産の処分により受領した収入、損失→全額元本

財産の訴訟費用→全額元本

  • 信託及び遺産の所得税

simple trustとcomplex trustの違い。

信託及び遺産は、分配可能収益(Distributable Net Income; DNI)の範囲で課税所得の計算上控除することができる。

計算の一連の流れ、控除できる項目、基礎控除額

この論点は重要度がぐっと下がりますね。

連邦贈与税と遺産税 Gift and Estate Taxation ★★

重要論点

  • 贈与税と遺産税の計算の流れ、控除項目
  • 現在権と将来権
  • 年次控除、配偶者控除

ここも重要性はあまりないです。

その他の論点 Other Taxation Topics ★

ここは全ての中で一番重要度が低いと考えられるので割愛します。

代書作成者の責任 Tax Return Prepare’s Responsibilities  ★★★★★

重要論点

  • AICPA税務サービス基準

◇CPAは納税者または第三者から提供された情報を検証することなしに信頼できる。

◇CPAは与えられた情報について合理的な質問をしなければならない。

◇CPAは申告書に重要なエラーがある場合には納税者に知らせなければならない。=IRSへ直接知らせてはならない。

◇納税者が適切な対応を取っていない場合には関係を続けるべきか考えなければならない。

  • 財務省通牒230号

◇例外を除き実務者は成功報酬を受け取ってはならない。

◇いかなる理由があろうとも小切手を流通(negotiate)させてはならない

  • 代書作成者への罰科金
  • IRSからの通知

このトピックスは最後に出てくるので力が抜けて学習をしない人もいると聞きますがこの論点は出題頻度は高いと思いますのでREG2の最初に勉強してもいいかもしれません。私の試験では一問TBSで丸々出題されました。しかも、納税の遅延などに対する罰金額や懲役年数をData Researchで調べるといった内容でした。

非常に長くなりましたがこれでREGは終わります。

P

コメント

タイトルとURLをコピーしました