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こんにちは。Pです。USCPAの資格を取得したからにはキャリアアップをしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。私は2020年にUSCPAの資格に合格し、2021年3月に上場企業から中堅の監査法人に転職しました。ずっとやりたい仕事だったので現在は毎日楽しく働いています。40歳と若くない上に監査未経験での転職でした。UCSPAを取得した皆さんは少なからずキャリアアップを目指していらっしゃると思いますので、同じような志の方の参考になればと思います。
Pのプロフィール
- 年齢:40歳
- 出身大学:某私立大学文系(会計系ではない)
- 職歴:新卒で某一部上場企業入社(従業員1万人以上)→中堅監査法人
- 経験職種:主に管理部門(経理・人事・総務)、海外駐在経験あり、管理職
- 資格:USCPA・TOEIC 965・英検1級
転職しようと思った理由
- ゼネラリストよりもスペシャリストになりたかった
- USCPAの勉強過程で学んだ会計x英語のスキルを活かしたかった
40歳未経験のUSCPAが監査法人へ転職する難易度
最初に結論を言うと、大手や準大手は厳しいが規模を問わなければ転職は十分可能だと思います。理由は監査法人・会計事務所の業界が人手不足=売手市場だからです。大企業の不正会計などで監査法人への世間の目は厳しいものになっており、ただでさえ激務と言われる監査法人に求められる監査の質は高いものとなっています。BIG4と言われる大手監査法人の中には受諾する顧客の数を減らす法人もあり、中小法人に回ってくるケースもある中で監査難民が増えているのが実情です。本来、監査法人としては難関の日本の公認会計士試験を突破した候補者を採りたいはずですが、それだけでは人が足りず監査未経験のUSCPAの募集も増えているようです。
とは言っても、私のように40歳未経験となると大手や準大手といった法人は困難だと思います。私の場合、約10社くらいの法人に応募をし書類審査を通過したのは2社(1社は現在の法人、もう1社は準大手)、内定を貰えた法人は現在の法人の一社だけでした。選考を通じてお世話になった転職エージェントの方も私の経歴からして妥当な結果だとはっきり言ってくれました。仮にもう少し若ければ(30歳前半くらいまでなら)BIG4でも狙えたでしょう。BIG4はもう少しキラキラした人を採りたいんですよとそのエージェントに言われてしまいました(笑)。
しかしながら、転職市場におけるUSCPAの需要は底堅いと転職活動を通じて感じたのは事実です。
40歳未経験のUSCPAが監査法人へ転職する上での注意点
一般的に40歳で未経験の業界に転職することは難しいと言われています。これは監査法人だけではなくてどの業界にも当てはまります。それでも私は上記の通り不可能ではないと考えています。しかし、内定を得るためには注意をしなければならないことがあります。
私、Pのアドバイスは3つのPを捨てると言うことです。3つのP、つまり3Pです。あまり連呼するのはやめておきましょうね。
捨てるべき3つのP
・Pride(プライド)
一つ目はプライドです。40歳ともなると事業会社においては管理職になる人も出てくると思います。また、これまでの社会人経験から自分の実力を過信しているケースが少なくありません。ここにUSCPAを取得したという自信が加わるので自分はどんな会社にでも行けるという勘違いが生じやすくなります。初めに言っておきますと、この勘違いは早々に頭の中から消してしまいましょう。これが一つ目です。
勿論、転職活動において自信を持って望むことは大切です。しかし、それが変なプライドから来る過信であってはなりません。変なプライドを持っていると、それが態度や発言に出てしまい結果として転職活動がうまくいかないということに繋がります。あくまでも自分は未経験の業界に転職するんだという謙虚な姿勢が大切です。
そのためには、早々に転職エージェントを利用し実際に応募してみるとよいでしょう。恐らくほとんどの場合、自分が思っている以上に書類選考すら通過しないことに気づくでしょう。人は客観的な評価をされることで謙虚になれるものです。この段階で自分の正しい市場価値を認識し謙虚に自己分析ができれば一つ目のハードルはクリアしたと言えるでしょう。
ちなみに偉そうに言っておりますが、私も少なからずの過信がありました。今から思えば本当に基本的なことなのですが、私は自分は未経験であってもある程度の大手には行けるだろうと考えていました。根拠のない自信です。このような現実と頭の中のギャップはすぐに打ち砕かれましたが、人は自分の実力を周囲より高くみる傾向にあるので注意が必要です。
・Priority(優先項目)
二つ目は転職活動においては自分が譲れない軸を1つ、多くても2までに絞りそれ以外は捨てるべきということです。あれこれ優先事項を付けていてはいい転職はできません。これは大変重要なことです。今よりも全ての条件において向上する転職はないと思います。
私の軸は「国際的な業務ができる会計事務所で経験を積むこと」でしたのでそれ以外の条件はほとんどどうでもよかったです。給料、ワークライフバランス、会社の規模などには拘りませんでした。最初はどうしてもあれもこれも好条件を求めていましたが、上述の通り、変なプライドを捨てた後は純粋に自分は何がやりたいかということに軸足をおいて転職活動ができたと思います。
・Price(価格=給料)
最後は給料です。転職活動の理由として年収アップを目指している方も多いかと思いますが、40歳未経験であれば年収のダウンは多少なりとも覚悟する必要があります。特に事業会社で管理職まで昇進したような人であれば抵抗があるのは理解できますが、未経験の仕事で年収が上がるほど甘くはありません。最初は経験に投資するくらいの覚悟で年収のダウンは仕方ないことだと思います。
とはいえ、社会人としての経験は一定度評価はされます。会社によっては現状の維持を考慮してくれる場合もありますのでエージェントなどを通じて交渉をしてみましょう。
40歳未経験のUSCPAが監査法人へ入社した後の心構え
無事に監査法人に転職が決まった後はどのような心構えで仕事に臨めばよいのでしょうか。私が実体験を通じて考えたことをお伝えします。
・謙虚に学ぶ姿勢を忘れない
USCPAを取得して中途で監査法人に入所する場合、日本の公認会計士の試験合格者と働く場合が多くなります。彼らは合計3000時間程度の勉強を乗り越えて試験に合格しているため、会計基準、監査論などの知識において通常USCPA合格者の上を行っています。しかも大学卒業したてのフレッシュで優秀な若者も多く存在します。
つまり、年下で自分よりも知識も上の人たちと働く必要があるということです。ここでは初心に帰ってどんな人からでも謙虚に学ぶ姿勢を忘れずに業務に取り組んでいきましょう。あまり遜る必要はありませんが、下手に横柄になったり、上から目線になって自分の意見を押し通すようでは人間関係がギクシャクし孤立してしまうでしょう。40歳ともなれば中々注意してくれる人もいないので、「仕事はできない変な人」というレッテルを貼られ組織で浮いてしまうのが落ちです。常に謙虚にどんな仕事でもやる姿勢を見せることできっと信頼を勝ち得ることができると思います。
・他者と差別化できる力を発揮する
謙虚であるべきとはいえ、全てが大学卒業したての新入社員と同じでいいというわけにはいかないでしょう。周囲からの信頼を勝ち取り早く成長して行くためには、これまでの社会人経験や知識を活かして会社に貢献していくことが必要です。会計や監査の知識や経験で日本の公認会計士には及ばなくとも、あなたのこれまでの社会人人生で培ったスキルは必ず生きてくるはずです。例えば、営業経験者であればコミュニケーション能力、海外駐在経験者であれば英語力など誰でも人より長けている能力があるはずです。それを最大限に活かして、できればその能力をいかして他の人を積極的に手助けしてあげましょう。そうすることにより相手との信頼関係が生まれあなたが困った時にも必ず助けてくれるでしょう。
私の場合、以前通訳をやっていたこともあり英語はある程度自信がありますので海外案件や翻訳などに積極的に手をあげて少しでも貢献しようと努めています。
USCPAはコスパ最強の資格です
ここまで読んでいただきありがとうございます。最後にUSCPAはコスパ最高の資格であるということについて触れたいと思います。
当たり前ですが、監査法人で働く人のほとんどは日本の公認会計士試験に合格しています。日本の公認会計士試験は日本でも最難関の部類に入る資格で合計で3000時間程度の勉強が必要になると言われています。一方でUSCPAはどんなに多く見積もっても1500時間程度勉強すれば合格することは可能です。日本の公認会計士の独占業務は監査報告書にサインをすることですが、そもそもこのパートナーに就くこと自体日本の公認会計士に合格していてもかなりの難易度で、その難しさは年々増していると言われています。つまり、ほとんどの合格者は独占業務を行なっていないのです。USCPAは日本基準の場合、監査報告書にサインすることはできませんが、日本の公認会計士でもそれができる人はほんの一部なので、監査法人に入ってしまえばほとんど同じ仕事ができるのです。当然、同じ仕事をすれば給与水準も変わりません。後は実力と努力次第で上に行くことは可能ですので、監査法人への切符を手にするという意味でUSCPAのコスパは抜群であると考えています。
是非、興味がある方はUSCPAを取得しキャリアアップを狙ってはいかがでしょうか。
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