【40代USCPA目指せ税理士】法人税法勉強メモ11(租税公課の取扱い)

税理士
1.概要
法人が納付する租税公課の額は、原則として期末までに債務が確定している限り、費用として損金の額に算入される。しかし、一定の租税公課については租税政策上の理由から損金の額に算入しないこととする。
・申告納税方式による租税
法人税
地方法人税(国税)…住民税として課されていたものの一部を国に移行し、国から各自治体に再配分することで、各自治体における財政格差を縮小させ用途するもの
特別法人事業税…事業税(地方税)の一部を分離し、創設された国税。意義は地方法人税と同じ。
消費税
住民税
事業税
事業所税
地方消費税
・賦課課税方式による租税
(国税)
加算税
過怠税…収入印紙貼り忘れ
(地方税)
固定資産税
不動産取得税
自動車税
・特別徴収方式による租税
ゴルフ場利用税
軽油引取税
・本税と付帯税
(国税)
延滞税
過少申告加算税
無申告加算税
不納付加算税
重加算税
(地方税)
延滞税
過少申告加算金
不申告加算金
重加算金
・更生と決定
更生…納税者が申告書を提出したことを前提に、その申告書に記載された税額などが、税務調査の内容と異なる場合などに、これを正しい数値に税務署長が訂正する処分をいう。
決定…申告書を提出しなければならないものが、その申告書を提出しなかったことを前提に、税務所長がその税額などを確定する処分のことをいう。
・納付形態と損金算入時期
申告納税方式…申告書の提出された日の属する事業年度
賦課課税方式…賦課決定のあった日の属する事業年度
特別徴収方式…申告の日の属する事業年度
利子税及び延滞税…納付の日の属する事業年度
更生又は決定に係る税額…更生又は決定のあった日の属する事業年度
2.損金不算入となる租税公課
内国法人が納付する次の租税公課等の額は、各事業年度の損金の額に算入されない。
・法人税、地方税及び住民税
法人税の本税
中間申告分法人税/確定申告分法人税
地方法人税の本税
中間申告分地方法人税/確定申告分地方法人税
住民税の本税
中間申告分住民税/確定申告分住民税
⇨これらは法人の所得に対して課されるべきものであり、計算の途中で控除する性格ではないため損金不算入とされる。
・附帯税等及び罰金等
国税の附帯税
延滞税・過少申告加算税・無申告加算税・不納不加算税・重加算税・印紙税の過怠税
地方税の附帯税
延滞金・過少申告加算金・不申告加算金・重加算金
罰金等
罰金・科料・過料
⇨これらはペナルティの性格を持ちこれらを損金算入することは罰則の意味合いが薄れるため
3.損金算入される租税公課
法人税等の利子税
納期限延長に係る延滞金
事業税・特別法人事業税‥公共施設利用税としての性格を有しているため損金算入される
その他の租税公課‥印紙税、固定資産税、自動車税
社会保険又は労働保険に係る追徴金など
4.経理処理と税務調整
・会社の経理
(租税公課)xxx (現金預金)xxx
・税務調整(損金不算入のもの)
法人税・地方法人税(本税)…損金経理法人税(加算留保)
住民税(本税)…損金経理住民税(加算留保)
印紙過怠税…損金経理過怠税(加算社外流出)
罰金、科料、過料、交通反則金(業務中)‥損金経理罰金等(加算社外流出)
その他附帯税等…損金経理附帯税等(加算社外流出)
・仮払経理
仮払経理をした事業年度
損金経理法人税(加算留保)
損金経理住民税(加算留保)
仮払経理認定損(減算留保)
⇨一旦、租税の税額を減算調整して損金経理した場合と同じ状況を作る必要がある。そして改めて損金不算入となる租税については加算調整をする。すなわち、事業税は損金算入されるため、加算調整は行わない。
消却経理をした事業年度
仮払税金消却否認(加算留保)
5.納税充当金の取扱い
・経理処理と税務調整
当期確定申告分の法人税、地方法人税、住民税、事業税、特別法人税等の見積もり額を、納税充当金(企業会計上の未払法人税等に当たるもの。)として費用に計上した場合には、債務未確定費用の計上となることから、当期の損金の額に算入することはできない。
(会社の経理)
(納税充当金繰入) xxx (納税充当金)xxx ➡︎繰入
(納税充当金)  xxx   (現金預金)xxx ➡︎戻入
(税務調整)
当期確定分の繰入額
損金経理納税充当金(加算留保)
前期確定分の戻入
納税充当金支出事業税等(減算留保)
⇨法人税、地方法人税、住民税以外の金額。これらは結局損金不算入になってしまうので戻入は行わない
・納税充当金の引当不足がある場合
(会社の経理)
(納税充当金) xxx (現金預金)xxx
(租税公課)xxx
(税務調整)
納税充当金の取崩しによる納付
納税充当金支出事業税等(減算留保)
不足税額の納付
科目に応じて…
損金経理法人税(加算留保)
損金経理住民税(加算留保) 等
・納税充当金の過大引当額がある場合
(会社の経理)
(納税充当金)xxx (現金預金)xxx
                           (納税充当金戻入)xxx
(税務調整)
納税充当金の取崩しによる納付、過大引当分の取崩し
納税充当金支出事業税等(減算留保)
⇨法人税、地方法人税、住民税以外の金額。収益に計上した額。
・税効果会計を適用している場合
法人税、住民税及び事業税に加算されている場合
法人税等調整額(加算留保)
法人税、住民税及び事業税から減算されている場合
法人税等調整額(減算留保)

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