【40代USCPA目指せ税理士】法人税法勉強メモ8(少額の減価償却資産)

税理士
1.少額の減価償却資産の体系
減価償却資産
・取得価額が少額
 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入
 一括償却資産の損金算入
 中小企業社等の少額減価償却資産の損金算入特例
・上記以外
 通常償却
2.少額の減価償却資産の取得価額の損金算入
減価償却資産で、使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のもの(付随費用含む)について、その取得価額相当額をその事業共用日の属する事業年度において全額損金経理したときは、減価償却によらず、一時に損金の額に算入することが認められている。
計算の型
①減価償却資産の取得価額<10万円
②取得価額相当額の全額を損金経理している ∴適正
3.一括償却資産
取得価額が20万円未満の減価償却資産(少額の減価償却資産の取得価額の損金算入の適用を受けるものを除く)を事業の用に供した場合には、その全部又は特定の一部を一括したものについて、その事業年度以後の各事業年度の費用の額または損失の額とする方法を選定することができる。この方法を選定したときは、その一括償却資産につきその事業年度以後の損金の額に算入する金額は、損金経理をした金額のうち、損金算入限度額に達するまでの金額とされている。
⇨論点としては簡単だが、一括償却とするか普通償却とするかは法人の任意で選択可能であり、試験上は有利な方を選択する必要があるので計算が長くなる。
適用要件
(適用資産)
①取得価額が20万円未満の減価償却資産であること
②少額の減価償却資産の取得価額の損金算入の適用を受ける資産ではないこと
(選択適用)
一括償却対象額をその事業年度以後の各事業年度の費用の額または損失の額とする方法を選定すること
(経理条件)
一括償却資産の全部又は一部につき損金経理すること
損金算入限度額
一括償却資産対象額(一括償却資産の取得価額の合計額)× 当期の月数 / 36➡︎3年で均等償却
→損金算入限度額は個々の資産について計算するのではなくまとめて行う。期中共用資産であっても月割り計算は行わない
繰越損金算入限度超過額
繰越損金算入限度超過額は、減価償却における繰越損金算入限度超過額と同様に、当期に損金経理をした金額に含まれる。
譲渡又は除却等をした場合
一括償却資産の適用を受けた資産については譲渡又は除却等をした場合であっても、繰越損金算入限度超過額の認容はせずに、3年間均等の損金算入(一括償却の計算)の継続が強制される。
計算の型
(1)判定
減価償却資産の取得価額<20万円 ∴一括償却資産に該当
(2)償却方法の判定
通常償却による償却限度額<一括償却資産による損金算入限度額 ∴一括償却有利
(3)損金算入限度額
一括償却対象額(一括償却資産の取得価額合計)x 12/36
(4)損金算入限度超過額
会社損金経理額-損金算入限度額
➡︎①+の場合 一括償却資産損金算入限度超過額(加算留保)
 ②△の場合 一括償却不足額 or 繰越損金算入限度額の少ない方
  ➡︎一括償却資産損金算入限度超過額認容(減算留保)
4.中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例
中小企業者等が、事業の用に供した減価償却資産でその取得価額が30万円未満のもの(その取得価額が10万円未満のもの及び少額の減価償却資産の取得価額の損金算入又は一括償却資産の損金算入等の適用を受けるものを除く。以下、「少額減価償却資産」という)。については、その取得価額相当額をその事業共用日の属する事業年度において損金経理したときは、減価償却によらず、一時に損金の額に算入することが認められている。ただし、少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度とされる。
⇨中小企業等とは、青色申告書を提出する資本金の額が1億円以下の法人のうち、その発行済株式等の50%以上大規模法人(資本金1億円超の法人等)に保有されていないものをいう。
適用条件
・対象法人
 中小企業者等であること(常時使用する従業員の数が500人以下の法人に限る)
・対象資産
①取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産であること
②少額の減価償却資産の取得価額の損金算入又は一括償却資産の損金算入等の適用を受ける資産でないこと
・経理要件
取得価額相当額を事業共用事業年度の損金経理すること
・限度額
取得価額の合計額が年300万円を超える場合には年300万円に達するまでの取得価額の合計額が限度額となる
⇨取得価額10万円以上30万円未満の減価償却資産の取得価額の合計額が既に290万円であったとする。そこへ25万円の減価償却資産を取得した場合にはこの25万円分は全て通常償却される。300万円に達するまで10万円分を
中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例に当てはめる事はできない。
計算の型
①10万円≦減価償却の取得資産<30万円
②取得価額相当額の全額を損金経理している
③①かつ②を満たす減価償却資産の取得価額の合計額≦300万円 x 12/12
適用選択の範囲
①中小企業者以外
取得価額     少額     一括     通常償却
10万円未満    ◯                   ○       ○
10万円以上2    ×                    ○                     ◯
0万円未満
20万円以上    x                     x                      ○
②中小企業者等
取得価額     少額     一括     中小少額    通常償却
10万円未満    ○                  ◯       ×       ○
10万円以上2    ×                   ○                     ◯        ○
0万円未満
20万円以上3    ×                   ×                      ○                    ◯
0万円未満
30万円以上          x                    x                       x                    ○

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