【USCPA】米国公認会計士試験 科目別勉強法 REG2前半

米国公認会計士(USCPA)

今回はREGの肝。税法です。個人は細々した論点が多いのですが、本当に大切なのはBasisの概念です。

目次

REG2の勉強法(各論)

★★★★★ 最重要

★★★★ 重要

★★★ まずまず重要

★★ 普通

★ 余裕があれば学習

導入 Introduction ★★★

重要論点

  • 租税の根拠(tax authorities)

何故か色々なところで見かけます。私が受験した本試験にも出題されました。一次的根拠と二次的根拠にどんなものがあるのか押さえておきましょう。頂点は言わずもがなIRCです。

  • IRCの構造

Data research問題でIRCをそのまま検索することになるので階層はざっと見ておきましょう。覚える必要はありません。

  • 現金主義を選択できる納税者

その対象とC Corpで例外的に現金主義を用いることができる条件をおさえましょう。

  • 認定受領(constructive receipt)

認定受領のパターンとのconstructiveという単語の意味「実質的に」を覚えましょう。

この導入は上記の論点に関する問題を色々なところで見ましたので侮れません。

個人1 Individual part1 ★★★★

重要論点

  • 個人所得税計算の流れ

gross income – above the line deduction – adjusted gross income(AGI) – standard or itemized deduction

  • 申告書の種類

schedule A/B/C/D/E/F/1

何をどの申告書に記載するか

  • 資本不課税の原則(recovery of capital doctrine)

税法全体にかかる原則なのでしっかりと理解しておきましょう

  • 総所得に含まれる主な項目

役務の対価/事業所得(schedule C)/パートナーシップから割り当てられた所得(schedule E)/譲渡所得(schedule D)/賃料・ロイヤリティ(schedule E)/ストックオプション

  • 総所得に含まれない主な項目

生命保険の受取額(利息分除く)/※福利厚生系/普通株式からの株式配当/地方債の受取利息/ など

※福利厚生系

雇用者により支払われた団体生命保険の保険料で$50,000までの保険金を担保するもの/労災補償 など

この章ではまず個人の税務申告の流れとどの項目をどの申告書に記載するのかを押さえてください。基本的には全ての所得はgross incomeに算入されますが、例外的に算入されないものもあります。対比しながら両者を整理してください。また、個人の章では課税所得の計算のうちどの部分を学習しているのかが分からなくなりがちです。逐一全体の流れの中で今どこにいるのかを確認しましょう。

個人2 Individual part2 ★★★★

重要論点

  • 事業経費(schedule C)

飲食費/支払利息(前払利息は発生主義で処理)/貸倒損失/減価償却費/179条費用化選択

  • アット・リスク・ルール

事業活動で発生した損失は納税者が負担しているリスクの範囲までとする規定。

  • 消極的活動

消極的活動

特に貸倒損失と減価償却費の論点が重要です。貸倒は会計上の取り扱いとは真逆で引当法は認められません。実際に貸倒れた時に控除が可能となるspecific charge off methodを利用します。また、減価償却費ではMACRSの規定と平均化の慣行に慣れ税務上控除できる額を計算できるようにしましょう。アット・リスク・ルールと消極的活動ではいくらまで損失が控除できるのかという論点はこの後も様々の章で出てきますし、本試験でもよく問われるのでBasisと同じくらい重要な論点です。

個人3 Individual part3 ★★★★★

重要論点

  • 調整総所得前控除(above the line deductions)

自営業者税の半分/自営業者の医療保険料/中小企業の従業員や自営業者の退職金/定期預金の期日前解約に伴う違約金の支払い/雇用者へ支払った陪審員の報酬

  • 項目別控除(itemized deduction)

医療費/諸税/支払利息/慈善寄付金/災害損失/ギャンブル損失

itemized deductionは制限など覚えることが多いですが、慣れてしまえば得点源になるところだと思います。私が受けた本試験では典型的な総合問題が出題されました。この中では寄付金が一番ややこしい気がします。深堀をすると例外がたくさんある論点なので予備校のテキストに載っている基礎的なものを理解するだけで十分です。ギャンブル損失は儲かった金額までしか控除できないのでご注意を。また同じように投資利息の控除も投資純利益までです。

個人4 Individual part4 ★★★

重要論点

  • 申告資格

配偶者が亡くなって再婚していない場合を押さえてください

married filing jointly(1年目)→surviving spouses(2年目/3年目)→head of household(4年目以降)

  • 税額控除

child and dependent care credit/earned income credit

  • 予定納税

法人と個人の違いに注意

  • 代替ミニマム税(alternative minimum tax)

regular taxからの調整ができるように

私が受けた試験ではregular taxにadjustmentやpreferenceを加減算したものをなんと言うかとの4択が出ました。alternative alternative minimum taxという選択肢がありましたがこれは引っ掛けでした。答えはalternative minimum taxable incomeです。USCPA試験はこのような引っ掛けはあまりないイメージでしたが、この問題では少しニヤッとしてしまいました。

資本資産 Transaction in property ★★★★★

重要論点

  • amount realized/basis/realized gain or loss/recognized gain or lossの理解
  • basisの意義(なぜbasisを加減算するのか)
  • 資本資産(=investment propertyとproperty for personal use)

資本損益はschedule Dで計算される

  • 個人と法人の資本損失の取り扱いの違い
  • basisのルール

債務の取扱い/贈与による取得/被相続人より取得/株式配当/交換取引(bootの取扱い)/非自発的理由による買換え

  • 証券の売却と交換
  • 関連納税者間取引
  • 1231条/1245条/1250条
  • 割賦基準

この章は大変ボリュームが多いことに加えて、REG2の後半に続いていく論点が多いので税法の一つの山場になります。中でもpropertyのbasisの概念と計算についてはこれでもかというくらいマスターしてください。特に債務が付くパターンは大変混乱しやすく一気に難しくなります。順を追って丁寧に進めていきましょう。

予備校ではbasisは「propertyに対する投資の残高である」との説明を受けます。ところが私はこの説明を初めて受けた時には???でした。それよりはむしろ「propertyの価値の課税が終わっているもの」と理解した方が分かりやすかったですね。最悪、ざっくりと財務会計における原価みたいなものだくらいでもいいかもしれません。

今日はここまでです。

P

 

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