【40代USCPA目指せ税理士】法人税法勉強メモ18(棚卸資産)

税理士
1.棚卸資産
法人税法上の棚卸資産の範囲は、企業会計上の棚卸資産の範囲とほぼ同様のものとなっているが、トレーディング目的で保有するものについては、棚卸資産とは別の種類の資産(短期売買商品等)として、その取り扱いが規定されている。
企業会計上の区分 税務上の区分 税務上の評価方法
通常の販売目的で保有する棚卸資産 棚卸資産 原価法又は低価法
トレーディング目的で保有する棚卸資産 短期売買商品等 時価法
法人税法では、損金の額に算入すべき原価の額は、「その事業年度の収益に係る」売上原価等の額と規定しているつまり、棚卸資産については、売上原価の額が損金の額に算入されるということである。
この売上原価の額は、個々の売上に対応する個々の売上原価を日々把握していくことが困難であることから、棚卸資産の期末評価を通じて、当期の総売上に対応する総売上原価として確定していくこととなる。
棚卸資産とは、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産で棚卸しをすべきものとして次のものをいう(有価証券及び短期売買商品等は除く)。
(1)商品又は製品(副産物及び作業くずを含む。)
(2)半製品
(3)仕掛品(半生工事を含む)
(4)主要原材料
(5)補助原材料
(6)消耗品で貯蔵中のもの
(7)(1)から(6)までの資産に準ずるもの
⇨有価証券については、たとえ商品としての有価証券であっても、法人税法上は棚卸資産には含まれない(有価証券として、有価証券の譲渡損益や期末評価の規定が適用されることになる。
税務上の期末帳簿価額と会社計上の期末帳簿価額と会社計上の期末帳簿価額との間に差額が生じている場合には、その差額は、売上原価の額の差となっているため、別表四において税務調整が必要となる。
<計算の型>
(1)会社計上の簿価
(2)税務上の簿価
(3)過大計上又は計上漏れ
(1)-(2)➡︎棚卸資産過大計上(減算留保)
(2)-(1)➡︎棚卸資産計上漏れ(加算留保)
棚卸資産の取得価額
棚卸資産の期末評価額は、原則として、次のそれぞれの金額とその資産を消費し又は販売の用に供するために直接要した費用の額の合計額となる。
購入した場合➡︎購入代価+購入費用
自己が製造等した場合➡︎原材料費+労務費+経費の額
交換、贈与等により取得した場合➡︎取得時における取得のために通常要する費用
2.棚卸資産の評価方法
棚卸資産の期末評価額は、次の方法のうち内国法人が選定した評価方法により評価した金額とされる。なお、内国法人が評価方法を選定しなかった場合又は選定した評価方法により評価しなかった場合には、最終仕入原価法により算出した取得価額による原価法(法定評価方法)で評価する。
(1)原価法
個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法(法定評価方法)、売価還元法
(2)低価法
期末棚卸資産をその種類等の異なるものごとに区別し、その種類等の同じものについて、原価評価額と期末時価とのうちいずれか低い価額をもって期末棚卸資産の評価額とする方法をいう。
原価法評価額 or 期末時価(売却可能価額-見積販売直接経費)の低い方
評価方法は法人が任意で選択可能。選定した評価方法は、通常、設立事業年度の確定申告書の提出期限までに納税地の所轄税務所長へ届け出る。評価方法を変更しようとするときは、新たな評価方法を採用しようとする事業年度開始日の前日までに「変更承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、承認を受ける必要がある。

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